感染学校~死のウイルス~
☆☆☆
それから、森本先生は錠剤を田村先輩に服用させた。
田村先輩の顔色は相変わらず悪いままだったけれど、少し呼吸が落ち着いたように感じられた。
赤川先輩はそんな田村先輩の寄り添うようにして座っている。
その光景は見ているだけでも胸が苦しくなるものだった。
もし、今この状況で辻本先生の命が消えそうだったら、あたしは一体どうするだろう?
赤川先輩のようにずっと隣にいることができるだろうか?
好きな人が死んでいく様子を見ている勇気が、あたしにはあるだろうか?
「愛莉、さっきから辛そうだけど大丈夫?」
空音にそう言われて、あたしは「うん」と、小さく頷いた。
「田村先輩の事が気になる?」
「うん……」
頷く。
だけど、今は自分の命だって危ないのだ。
いつ感染している生徒たちがここに来るかもわからない。
「愛莉らしいね」
空音がそう言い、フフッと声に出して笑った。
「え?」
「いつでもそうだったじゃん。人のことばかり心配して、自分のことは後回し」
「そうだっけ?」
それから、森本先生は錠剤を田村先輩に服用させた。
田村先輩の顔色は相変わらず悪いままだったけれど、少し呼吸が落ち着いたように感じられた。
赤川先輩はそんな田村先輩の寄り添うようにして座っている。
その光景は見ているだけでも胸が苦しくなるものだった。
もし、今この状況で辻本先生の命が消えそうだったら、あたしは一体どうするだろう?
赤川先輩のようにずっと隣にいることができるだろうか?
好きな人が死んでいく様子を見ている勇気が、あたしにはあるだろうか?
「愛莉、さっきから辛そうだけど大丈夫?」
空音にそう言われて、あたしは「うん」と、小さく頷いた。
「田村先輩の事が気になる?」
「うん……」
頷く。
だけど、今は自分の命だって危ないのだ。
いつ感染している生徒たちがここに来るかもわからない。
「愛莉らしいね」
空音がそう言い、フフッと声に出して笑った。
「え?」
「いつでもそうだったじゃん。人のことばかり心配して、自分のことは後回し」
「そうだっけ?」