感染学校~死のウイルス~
「まさか、再発なんてことないよな!?」


どこからともなくそんな声が聞こえてきて、体育館の中がざわついた。


あのウイルスが再発なんてことになったら大変だ!


「それはないはずだ」


生徒たちの混乱を止めるように、辻本先生が大きな声でそう言った。


「このウイルスは再発しない。本にはそう書いてあった」


「昔はそうだったかもしれないけど、今はわかんないじゃん!」


辻本先生の言葉をかき消すように、女子生徒が言った。


確かにその通りだ。


昔流行ったウイルスでも、形を変えて狂暴化している可能性だってある。


男子生徒は今もまだ唸り声を上げ続けていて、時々体を震わせている。


他の生徒たちは自然と男子生徒から距離を取る形になった。
< 160 / 284 >

この作品をシェア

pagetop