感染学校~死のウイルス~
「赤川先輩は自殺したの……?」


どこからともなくそんな質問が飛んだ。


けれど、田井先生も辻本先生も答えなかった。


答えないのが、肯定の変わりなのだと誰もが理解した。


自殺だと断定できたということは、それなりの証拠が近くにあったんだろう。


あたしはそう思い、そしてハッとした。


赤川先輩は階段で自殺した。


そんな中途半端なところで自殺をするという事は、田村先輩の体を運ぶのがそこで限界だったんだろう。


これ以上運ぶことはできない。


そう判断した赤川先輩は階段で死ぬことを決めた。


そのやり方は……。


あたしの目はせわしなく体育館の中を見回していた。


心臓が高鳴り、緊張から呼吸が苦しくなっていくのがわかった。


「愛莉、どうしたの?」


空音があたしの異変に気が付いてそう聞いて来た。


「ねぇ、あたしが持ってきた薬ってどこにあるんだろう……?」


そう聞く自分の声がすでに震えている。
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