感染学校~死のウイルス~
「え……?」


空音は首を傾げて周囲を見回している。


昨日確かにここまでもって来た紙袋が、どこにもないのだ。


「倉庫の中なんじゃない? 使えるものはあそこに保管したとか?」


空音はそう言うが、自分の意見に自信はないようで声がとても小さかった。


あたしは立ちあがり、倉庫のドアを開けた。


中は食べ物を奪い合った後で散らかっている。


空音が心配してかけつけてくれた。


一緒に段ボールをどけて体育に使う道具をかき分けて薬品を探す。


が、どこにもないのだ。


「まさか、嘘だよね……?」


あたしはそう呟いた。


「愛莉、考えすぎはよくないよ」


空音がすぐにそう言ってくる。


「でも、薬品はどこにもないよ。あれだけ沢山持ってきたのに、袋ごと無くなってる!」


最後の方は思わず声が大きくなっていた。


あの薬品を使って赤川さんは自殺をした。


その可能性に頭の中がグワングワンと回りはじめるのを感じる。
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