感染学校～死のウイルス～
「お前大丈夫か？」


あたしの声を聞きつけたアラタ先輩が倉庫の外から声をかけて来た。


あたしはなにも答えられなかった。


自分のせいで赤川先輩は自殺したのかもしれない。


そんな思いが頭の中を支配している。


「どうした？　なにがあった？」


辻本先生がアラタ先輩の後ろから顔をのぞかせてそう聞いて来た。


その質問にあたしはビクッと体を震わせた。


辻本先生なら、きっと知っているはずだ。


赤川先輩がどんな風に自殺をしたのか……。


「なんでもないです。食べ物が残っていないか探していただけです」


空音がすぐにそう言い、あたしの体を支えるようにして倉庫から出た。


「あぁそうか、今日はまだ何も食べてないな」


辻本先生は思い出したようにそう言った。


何かを食べると言う事すら忘れてしまうほど、この空間は異質なものになっている。


「って言っても、食い物は他の奴らが……ま、いいけどな」


アラタ先輩はそう言い、肩をすくめた。


食べ物は食堂にある。


それを昨日伝えているからこその余裕だろう。
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