感染学校~死のウイルス~
何度も通った教室のはずなのに、なんだかすごく久しぶりのような気がした。


自分の席に座り、教卓を見つめた。


今にも辻本先生が入ってきて朝のホームルームが始まりそうな雰囲気がある。


教室内はいつもとても賑やかで、3つか4つのグループに分かれて会話をしている。


そんな光景がすぐによみがえってくることができた。


「早く現実に戻りたいよ……」


悪い夢なら覚めてほしい。


そんな思いで呟いた時だった。


閉めた教室のドアが音を立てて開かれたのだ。


ハッとして顔を上げる。


「辻本先生!?」


咄嗟にそう聞いていた。


しかし教室に入って来た男子生徒の姿を見ると、一瞬にして期待は消えて行った。


おずおずと教室に入って来たのは何度か会話をしたことのあるB組の男子生徒だった。


名前は確か……岡崎君だ。


その名前を思い出してホッと胸をなで下ろすあたし。


なにより、クラスメートがまだ無事でいたことが嬉しかった。
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