感染学校～死のウイルス～
☆☆☆

辻本先生が1人で出たと言う事で、あたしと愛莉は朝食を取りに出る事もできない状態だった。


食べ物を奪い取っていた生徒たちも、手持ちの食料は少なくなってきている。


他の生徒に取られないように、食べられる時に食べられるだけ食べているからだ。


あたしと空音は同時にため息を吐き出した。


食欲はないが、食べないと体力が落ちていざという時に逃げられない。


それが一番の心配事だった。


「どうする？」


空音がそっと聞いてくる。


「辻本先生が帰ってくるまでは待っていた方がいいよね」


あたしはそう返事をした。


今あたしはバッドを持っていない。


昨日みたいな事が起こると、身を守ることができない状態だ。


「おい、お前らも食べてねぇんだろ？」


アラタ先輩にそう声をかけられて、あたしと空音は目を見交わせた。


「は、はい……」


「食料を取りに行こうと思うんだ」


そう言ったのは祐矢先輩だ。
< 195 / 284 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop