感染学校~死のウイルス~
「なに?」


祐矢先輩が興味深そうな視線を向けて来る。


「外の音が聞こえてこないことです」


「外の音?」


祐矢先輩がシャッターを見る。


「シャッターが閉められてるからでしょ?」


空音が不思議そうにそう聞いて来た。


「そうなんだけど、外の音がなに1つ聞こえないって、おかしくない?」


学校にシャッターが下りている。


それは外から見てもわかる光景だ。


たとえ逃げた先生たちや生徒たちが通報しなくても、近所の人たちが通報しているだろう。


それなら、外から何か物音が聞こえてきてもよさそうなものだ。


その考えを口に出すと、祐矢先輩が「確かに、そうだよな」と、顎に手を当てて考え込んだ。


「例えばこれが防音シャッターだとすれば、小さな音が聞こえてこないのはわかるよ?


 でも、通報していればこのシャッターを破壊するような行動が起きていても不思議じゃないの。それなのに、何も聞こえてこない」
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