感染学校~死のウイルス~
言いながら、自分がどんどん青ざめていくのを感じた。


「それはつまり……外にいる人間全員がグルだってことを言いたいのか?」


祐矢先輩がポツリと呟くようにそう言った。


あたしはグッと言葉に詰まってしまった。


あたしの想像ではその通りだったからだ。


誰も助けに来ないということは、みんな学校内でどんなことが起こっているか知っているのだ。


そして感染を防ぐために隔離した状態を維持しようと決めた。


そうとしか、考えられなかった。


「それじゃまるで陸の孤島じゃない」


空音が青い顔をしてそう言った。


「ご、ごめん。不安にさせるつもりはなかったんだけど」


慌ててそう言うと、祐矢先輩が「いや、それは貴重な意見だよ」と、言った。


「俺たちは助けられない。全員が死ぬまで隔離状態は続く。そう考えて行動するなら、とにかく危険な目に合わないようにひっそりと息を殺して過ごす方がいい」


「死ぬってわかっているなら戦えばいいじゃねぇかよ」


アラタ先輩がフンッと鼻を鳴らしてそう言った。


「無駄に死ぬ必要はない。ここで起こっているデータを少しでも多く書き記した方がいいに決まってる」


「はいはい。そんな奴が先に死ぬんだよ」


アラタ先輩はそう言い、階段を下りて行く。
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