感染学校~死のウイルス~
「どうしたの?」


空音も驚いたように目を丸くする。


よく見ればその男性とは元々体育館にいた仲間の1人だと言う事がわかった。


しかし今は青ざめて小刻みに震えている。


「に、2階に……」


小さな声でそう言う。


「2階?」


あたしは首をかしげて階段を見上げた。


細い階段が薄暗い蛍光灯で照らし出されている。


カーテンを取り外すためにあたしたちも1度この階段を使っていた。


「2階に死体がある!!」


男子生徒が大きな声でそう言い、あたしと空音は目を見開いた。


2階に死体?


思いもしなかった言葉に唖然としてしまう。


あたしたちがカーテンを取り外すために2階に上がった時は、死体なんてなかったはずだ。


だとしたら、いつの間に?
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