感染学校~死のウイルス~
隙間から
音楽室に移動してきたあたしたちは、生徒たちが残していった鞄の中を確認していた。


女子生徒の鞄が多いようで少し申し訳ない気持ちになったが、今はそんな事を言っている場合でもなかった。


鞄の中に残されていたスマホで連絡が取れるかやってみるが、やはりどのスマホも電波が届かない状態になっていた。


しかし、鞄の中には飴が入っていたりして、食料をしていただくことにした。


「なんで女子って食い物ばっかり学校に持ってくんだよ」


ピーチ味の飴を口の中でころがしながら、アラタ先輩がそう言った。


「え? だって、食べたいじゃん」


あたしは首を傾げながらそう答えた。


「食べたいって、そんなに飴が食べてぇか?」


「別に、飴じゃなくてもガムとかでもいいんだけど。飴が一番食べやすくて種類が豊富っていうか……」


説明しながらも、自分でも疑問になってきた。


ほんと、なんでだろう?


あたしも普段からよく飴を鞄に入れて来ている。


「女の子はね男の子より糖質が必要な時もあるのよ」


そう言ったのは森本先生だった。


「そうなんですか?」


そう聞き返したのは祐矢先輩だった。
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