感染学校~死のウイルス~
教室の中は真っ暗でその音の正体がわからない。


辻本先生が教室に入り、手探りで電気のスイッチを探す。


それに続いてあたしたちも教室へと入った。


音はするけれど人の気配は感じられない。


誰かが出て来るような雰囲気もない。


だけどなんだろう……すごく嫌な気分だ。


心を重たく押しつぶすような気分の悪さに顔をしかめた。


その時だった。


電気のスイッチが入り、教室内は明るさに包まれた。


一瞬眩しさに顔をしかめたが、すぐにその光景が目に入って来た。


カーテンレールからぶら下がっている、無数の首つり死体。


1つの死体が微かに揺れていて、その度に綱がギッ……ギッ……と、キシムような音を立てているのだ。


「イヤアァァァァ!!!」


空音が叫び、その場にうずくまった。


カーテンの端から端までをうめつくすように、生徒たちは並んで自殺していた。


途端に糞尿の匂いが鼻を刺激し始める。


「なんで……」


森本先生が生気のない声でそう呟いた。
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