感染学校~死のウイルス~
「嘘だろ……」


辻本先生はそう呟き、死体へ駆け寄った。


「おい、お前ら! なにしてんだよ!!」


1人ずつ脈を確認していく。


「あなたたちは外へ出ていなさい」


田井先生が言う。


だけどあたしも空音もその場から動く事ができなかった。


集団で自殺している生徒たちが感染者だったとしたら?


もうこの学校中にウイルスは蔓延しているんじゃいか?


だとすれば、あたしと空音も……。


「おい、この生徒たちは感染してなかったんだ!!」


辻本先生がそう言い、ハッとして顔を上げた。


辻本先生の手にはノートを千切ったような紙が握られている。


「あたしたちは感染者ではありません。ただ、この地獄のような学校内で生きていく自信がなくなっただけです」


辻本先生がノートに書かれている内容を読み上げていく。


感染者じゃない……?
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