感染学校~死のウイルス~
☆☆☆

それから数十分後、ようやく涙がおさまったあたしと空音は2人で先生たちを探して歩いていた。


一緒に生徒玄関まできたはずだったのに、3人の姿が見えなくなったのだ。


もしかしてまだ感染者が校内に残っていたのかもしてない。


そんな不安はあったけれど、外に出られると言う嬉しさの方が勝っていた。


「辻本先生! シャッターが開きましたよ!!」


「森本先生と田井先生も出てきてくだない! 外に出られるんです!!」


2人で声を張り上げて校内を探す。


しかし、いくら呼びかけても先生たちからの返事はなかった。


「3人ともどこに行っちゃったのかな……」


不安げな表情を浮かべる空音。


「もう一度、全部の教室を調べたほうがいいのかな……」


そう呟くけれど、2階の教室の惨状を思い出すと気分は滅入ってしまった。


「生徒2人を残して消えちゃうなんて」


空音がそう文句を言った時だった。
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