感染学校~死のウイルス~
辻本先生の体からは鮮明な血が流れ出していて、それは腹部に刺さった小型のナイフが原因だとわかった。


だけど、それ以外にひどい傷はない。


感染者のやり方ではないと、すぐにわかった。


それに対して、森本先生と田井先生の体には無数の切り傷があった。


「もしかして、森本先生と田井先生が辻本先生を攻撃したんじゃ……?」


空音が青ざめた顔でそう言った。


「どういうこと?」


「ほら、さっきの抗体のことで2人とも納得してなかったでしょ? 学校がこんなことになってしまったのが辻本先生のせいだって思ったのかも……」


2人を殺してしまった辻本先生はここに遺体を運び、そして自分も自殺した……?


あたしは力が抜けてヘナヘナとその場に座り込んでしまった。


辻本先生の血が自分の手にベッタリとくっついている。


その血はまだ温かい。


「あたしたちが、もう少し早く気がついていれば……」


あたしはそう呟いたのだった……。
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