感染学校~死のウイルス~
「先生、スマホは?」


あたしは鞄から自分のスマホを取り出しながらそう言った。


「そ、そうね」


森本先生はそう言い、白衣から慌ててスマホを取り出した。


しかしすぐに落胆の色を浮かべる。


あたしは自分のスマホを確認してすぐにその意味が理解できた。


電波がないのだ。


「なんで!?」


いつもは電波があるのに!


空音も自分のスマホを確認し、そして左右に首を振った。


「とにかく、外へ出ましょう」


森本先生はそう言い、生徒玄関の鍵を掴んだ。


別館に出入り口はないからここから外へ出るには1年の生徒玄関が一番近い。


職員室から出ると、途端にざわめきが聞こえて来た。


シャッターが下りたことで生徒たちが異変を感じ取っているのだろう。


「早く行かなきゃ!」


大人数が校内にいる今、大混乱は免れないだろう。


電話も繋がらない状態じゃ早く外へ出るしかない。


3人で転がるようにして生徒玄関へと向かうと、そこはすでに生徒たちで混乱状態だった。


「なんで開かないんだよ!」


「シャッターしめたの誰?」


そんな声があちこちから聞こえて来る。


「ちょっと、どいて!」
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