感染学校~死のウイルス~
森本先生が生徒をかき分けながら進んでいく。


あたしと空音もどうにかその後に続いたのだが……生徒玄関の前にもシャッターが下ろされていて、あたしたちは愕然としてしまった。


「これじゃ外に出られない……」


空音が泣きそうな声で言う。


「大丈夫よ。シャッターは解除できるから」


森本先生はそう言い、生徒玄関の端へと向かった。


確かにそこにはシャッターを下ろすスイッチがあった。


森本先生なら、それを戻す方法もきっと知っている。


けど、なぜだろう?


あたしの胸騒ぎは治まる所か、更に加速していた。


「なんで、動かないの!?」


しばらくして森本先生の焦った声が聞こえてきて、生徒たちが視線を向けた。


森本先生はシャッターを上げるボタンを何度も押しているが、それが反応しないのだ。


「先生かわって!」


近くにいた男子生徒が森本先生にかわってボタンを押す。


しかし、やはり結果は同じ。


シャッターは下りたまま動かない。


かなり体格のいい男子生徒が力付くでボタンを押しても、それは反応しなかった。
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