感染学校~死のウイルス~
次第に生徒たちのざわめきは大きくなっていく。


森本先生もどうしようもないのか、茫然とその場に立ち尽くしてしまった。


「開けてくれ! 俺たちまだ校内にいるんだ!!」


男子生徒の1人がそう言い、シャッターを叩き始めた。


ガンガンと大きな音が響き渡る、


普段なら耳を塞ぎたくなるような騒音だけれど、今はその音が頼みの綱になっていた。


何人かの男子生徒が力を合わせてシャッターをこじ開けようとしている。


だけど、それもびくともしない様子だ。


「どうしよう、みんなスマホも通じないんだよね?」


近くにいた女子生徒にそう聞くと、「通じなかった」と、落胆した声が返って来た。


その時だった「みんな、大丈夫か!?」と言う声が後方から聞こえてきて振り向いた。


生徒たちに混ざり、辻本先生がやってくるのが見えた。
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