感染学校~死のウイルス~
感染後1日~2日で発症。


初期症状は自殺願望。


その後強い殺害願望を抱く。


15歳から18歳の男女に感染するケースが多く、誰かを殺害することでウイルスが体内から抹消されると見られている。


感染経路は初期段階で自殺した患者の死体からの空気感染。


なお、患者が生きている間に他者へ感染することはないと思われる。


「なに、これ……」


読みながらあたしは目を見開いた。


自殺願望に殺害願望?


こんなウイルスの話なんて、今まで聞いたことはなかった。


「ゴールデンウィーク中、南アフリカでこの症状がみられたんだ」


辻本先生がそう言った。


「え?」


「テレビのニュースでチラッとやっていただけだから気にはしていなかった。でも、うちの学校の生徒が南アフリカに旅行へ行ったという生徒がいて、そのニュースを思い出したんだ」


「それって……まさか……」


彼女の明るい笑顔を思い出す。


「渋田咲だ……」


辻本先生の声が響き渡る・


渋田さんが旅行から帰った時、すでに感染していた?


そして学校で自殺をしてしまったことで、そばにいた生徒たちに感染した。


生徒たちは次々と発症し、保健室で拘束されていたため症状は悪化し、先生たちを殺した……?
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