感染学校~死のウイルス~
☆☆☆

それからあたしたちは本館の3階へと向かった。


ここには1年生の教室がある。


校内は静かで、どこからも誰の声も聞こえてこない。


少し図書室にいた間なにかあったんじゃないか?


そう思うほどの静寂だった。


階段の一番端にあるA組の中を覗いてみる。


誰もいない。


窓のシャッターは閉められて、電気をつけてもまだ薄暗い雰囲気が漂っていた。


いつもと違う教室の雰囲気に思わず身震いをする。


空音が後ろで唾を飲み込む音が聞こえて来た。


緊張している様子だ。


次はあたしたちのクラス、B組だ。


ここにも誰もいない。


B組の生徒も何人か校内に残っていたと思うけれど、一体どこへ行ったんだろう?


そしてC組。


ここにも誰もいなかった。


「みんな、どこに行ったんだろう……」


空音が不安そうな声を漏らす。
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