感染学校~死のウイルス~
☆☆☆
あたしたちは保健室の鍵を閉め、無言のまま図書室へと向かっていた。
辻本先生も空音も何も言わない。
20人の文芸部の生徒たち全員が感染しているかもしれない。
その可能性はあたしたちを絶望へと突き落とすものだった。
このまま学校から出る事ができなければ、きっと生徒全員が感染してしまう。
やがて殺し合いが始まる様子が目に浮かんできて、慌ててその映像をかき消した。
図書室へ戻って来ると、生徒たちはみんな疲れた表情を浮かべていた。
いつもならもう家に帰っている時間だ。
それが学校に監禁状態になり、精神的にまいっているようだった。
「辻本先生、他の生徒たちはどうでした?」
森本先生にそう聞かれて、辻本先生は左右に首を振った。
それだけである程度理解できたのだろう、森本先生は大きく目を見開き、そして泣きそうな顔になってしまった。
「今はとにかく、ここにいる生徒たちを守る事を優先させましょう。図書室でも十分スペースはあるけれど、災害時に備えた物資は体育館にある」
「そうですね。それでは移動しますか?」
森本先生が辻本先生へ聞く。
「そうしましょう」
辻本先生はそう言い、頷いたのだった。
あたしたちは保健室の鍵を閉め、無言のまま図書室へと向かっていた。
辻本先生も空音も何も言わない。
20人の文芸部の生徒たち全員が感染しているかもしれない。
その可能性はあたしたちを絶望へと突き落とすものだった。
このまま学校から出る事ができなければ、きっと生徒全員が感染してしまう。
やがて殺し合いが始まる様子が目に浮かんできて、慌ててその映像をかき消した。
図書室へ戻って来ると、生徒たちはみんな疲れた表情を浮かべていた。
いつもならもう家に帰っている時間だ。
それが学校に監禁状態になり、精神的にまいっているようだった。
「辻本先生、他の生徒たちはどうでした?」
森本先生にそう聞かれて、辻本先生は左右に首を振った。
それだけである程度理解できたのだろう、森本先生は大きく目を見開き、そして泣きそうな顔になってしまった。
「今はとにかく、ここにいる生徒たちを守る事を優先させましょう。図書室でも十分スペースはあるけれど、災害時に備えた物資は体育館にある」
「そうですね。それでは移動しますか?」
森本先生が辻本先生へ聞く。
「そうしましょう」
辻本先生はそう言い、頷いたのだった。