感染学校~死のウイルス~
☆☆☆
それから更に30分ほどが経過していた。
アラタ先輩はマットの上に寝転んでいびきをかき始めている。
祐矢先輩はそんなアラタ先輩を見向きもせず、教科書を広げて勉強し始めていた。
「すごいね、こんな時に勉強だなんて」
友菜ちゃんが呆れたような、感心しているような声でそう言った。
「そうですよね」
空音が頷く。
「もう、敬語はやめてって言ったでしょ?」
空音に対して頬を膨らませて抗議する友菜ちゃん。
呼び名も、このまま友菜ちゃんでいいと言ってくれた。
「ご、ごめん」
空音は慌てて謝り、少しだけほほ笑んだ。
こんな時でも笑顔になれる相手がいるというのは、本当に心強いことだ。
だけど、友菜ちゃんは不安から真哉先輩のそばにいるだけで、真哉先輩の気持ちが届いているわけではなさそうだ。
真哉先輩はさっきから友菜ちゃんに毛布を差し出したり、ペットボトルの水を持って来たりと、大忙しだ。
ここから出られたときに真哉先輩の気持ちが友菜ちゃんに届けばいいけれど。
そんな風に感じられた。
その時だった。
「なんだこれは」
辻本先生のそんな声が聞こえてきて、あたしは視線を向けた。
それから更に30分ほどが経過していた。
アラタ先輩はマットの上に寝転んでいびきをかき始めている。
祐矢先輩はそんなアラタ先輩を見向きもせず、教科書を広げて勉強し始めていた。
「すごいね、こんな時に勉強だなんて」
友菜ちゃんが呆れたような、感心しているような声でそう言った。
「そうですよね」
空音が頷く。
「もう、敬語はやめてって言ったでしょ?」
空音に対して頬を膨らませて抗議する友菜ちゃん。
呼び名も、このまま友菜ちゃんでいいと言ってくれた。
「ご、ごめん」
空音は慌てて謝り、少しだけほほ笑んだ。
こんな時でも笑顔になれる相手がいるというのは、本当に心強いことだ。
だけど、友菜ちゃんは不安から真哉先輩のそばにいるだけで、真哉先輩の気持ちが届いているわけではなさそうだ。
真哉先輩はさっきから友菜ちゃんに毛布を差し出したり、ペットボトルの水を持って来たりと、大忙しだ。
ここから出られたときに真哉先輩の気持ちが友菜ちゃんに届けばいいけれど。
そんな風に感じられた。
その時だった。
「なんだこれは」
辻本先生のそんな声が聞こえてきて、あたしは視線を向けた。