感染学校~死のウイルス~
「辻本先生、南アフリカで感染病が再発見されたんですよね?」
あたしはそう聞いた。
「あぁ。ゴールデンウィークに入る前だ」
校長先生はそのニュースを聞き、なおかつ渋田さんがゴールデンウィーク中に南アフリカへ旅行することを知っていた。
まさか本当に感染して戻って来るのは考えていなかったかもしれないが、万が一の時にあたしたちを閉じ込めるという手段を選んでいたことは間違いないだろう。
校長と一緒に数人の先生が逃げて行ったのを思い出す。
きっと、あの先生たちも全員がグルになっていたんだ。
そう思うと悔しくて悲しくて、何を信じればいいのかわからなくなっていく。
先生は生徒もここに残された先生も裏切った。
生徒を助けるべき存在の人たちが、こんなにも用意周到に裏切ったんだ。
それは胸の中で大きな悲しみの波となって押し寄せてきて、あたしは思わずその場に座り込んでしまった。
「愛莉、大丈夫!?」
空音がすぐにしゃがみ込んであたしの顔色をうかがう。
あたしきっと真っ青になっていることだろう。
座っていることもつらくなって、その場に横になった。
「大丈夫だから、ゆっくり呼吸をして……」
森本先生にそう言われて、目を閉じて大きく呼吸をした。
「7ケタの数字か……」
辻本先生が唸るような声でそう呟いたのが聞こえて来た。
あたしはそう聞いた。
「あぁ。ゴールデンウィークに入る前だ」
校長先生はそのニュースを聞き、なおかつ渋田さんがゴールデンウィーク中に南アフリカへ旅行することを知っていた。
まさか本当に感染して戻って来るのは考えていなかったかもしれないが、万が一の時にあたしたちを閉じ込めるという手段を選んでいたことは間違いないだろう。
校長と一緒に数人の先生が逃げて行ったのを思い出す。
きっと、あの先生たちも全員がグルになっていたんだ。
そう思うと悔しくて悲しくて、何を信じればいいのかわからなくなっていく。
先生は生徒もここに残された先生も裏切った。
生徒を助けるべき存在の人たちが、こんなにも用意周到に裏切ったんだ。
それは胸の中で大きな悲しみの波となって押し寄せてきて、あたしは思わずその場に座り込んでしまった。
「愛莉、大丈夫!?」
空音がすぐにしゃがみ込んであたしの顔色をうかがう。
あたしきっと真っ青になっていることだろう。
座っていることもつらくなって、その場に横になった。
「大丈夫だから、ゆっくり呼吸をして……」
森本先生にそう言われて、目を閉じて大きく呼吸をした。
「7ケタの数字か……」
辻本先生が唸るような声でそう呟いたのが聞こえて来た。