感染学校~死のウイルス~
結局、渋田さんの自殺の原因はまだ誰にもわかっていない様子だった。


D組の生徒の中には話をききながら泣いている子もいた。


犯人捜しなんてするつもりはないけれど、あたしの視線はついD組のみんなに向かっていた。


それは他の生徒たちも同じのようで、チラチラとD組の様子を伺っているのが見えた。


だけど、きっとイジメはなかっただろう。


学校が始まってまだ2か月目に突入したばかりだ。


渋田さんは隣町からの電車通学。


元々渋田さんを知っていたと言う生徒は少ないはずだ。


そんな中での突然の自殺。


原因があるとすれば家庭か、または昔の交友関係にあると思っていた。


その時だった。


突然D組の生徒の1人がその場に倒れたのだ。


生徒たちの隙間から、青白い顔をしてうずくまっている生徒が見える。


何度か渋田さんと一緒にいるところを見たことがある、女子生徒だ。


「先生! 夕日さんが倒れました!」


そんな声が聞こえてきて、あたりは騒がしさに包まれる。


しかし、倒れたのはその生徒だけではなかった。
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