秘めた想いが実るとき
サプライズな日曜日

お見合い当日。
コンディションは最悪。

目は少し腫れてるし、雨の中、傘も差さずに走ったせいで風邪を引いたのか鼻の調子が悪い。
鼻水が出るのでティッシュで鼻をかんだから赤くなった。

何とかメイクで誤魔化してみたけど、鏡の中の自分はすごく不細工に見えた。

憂鬱で足取り重く、お見合い場所に向かう。

そんな私の気持ちとは裏腹に、天気は快晴。
眩しく照らす太陽が憎らしかった。

昨日、家に帰ると雨に濡れた服がベッタリと身体に張り付いて気持ち悪かった。
外にいる時には気にもならなかったのに。

冷えた身体を温めるためにお風呂に入った。

そして、りっくんに断りの電話をした。
せっかくやり直そうと言ってくれたりっくんの気持ちはすごく嬉しかった。
だけど、自分の気持ちには嘘はつけなかった。

私の返事に『そっか、仕方ないね。潔く諦めるよ。でも、絶対にヤケになって結婚を決めたりするなよ。唯香の大切な人生なんだから』と言ってくれた。
りっくんの優しさに泣けてきた。

その後、お母さんにお見合いには行くと連絡した。
相手には会うだけあって、後日きちんと断ろうと思っている。

昨日、あんなことがあったけど、やっぱり私が好きなのは朔斗だから。

お見合いが終わったら、自分の気持ちを朔斗に伝えよう。
そして、振られるなら振られて潔く諦めようと決めたんだ。

今日は私なりにけじめをつける日だ。

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