飛べない翼
「まぁ、とにかく何か話して貰えるとありがたいのですが……?」


私は半眼で新米先生を一瞥し、布団に潜った。


すると「ふぅ、やれやれ」という新米先生の溜め息が聞こえた。


「ごめんなさいね、月代先生。沙羅ちゃん、他の子よりも頑なで……」


困ったような瀬戸さんの声も聞こえる。


けれど、無視する。


だって私は、理解されたいとは思わないから。
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