飛べない翼
すると間もなく、部屋の扉が開いて、二つの足音が遠ざかっていった。


私は布団から出ると、辺りを見た。


そして、顔をしかめた。


新米先生がすぐ傍に立っていたから。


「ははっ、本当に君は僕のことを嫌いなようですね」


楽しげにそう笑って、ベッドサイドのパイプ椅子を出して、座った。


私と向き合って座り、言った。
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