飛べない翼
何処か悲しそうに見えたから。


「……流石。君は僕なんかよりもよっぽど他人の心に敏感ですね…。”これ”が演技だと、分かるんですか……?」


「……分かりたくて分かるんじゃない」


私は唇を尖らせて、そう抗議した。


先生はふっ、と笑って、


「そうですね。すみません」


と言った。


そして空を仰ぐと、語り出した。
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