飛べない翼
言葉を探して戸惑う彼女に微笑み、僕は言った。


「君が勇気を出してそう言ったんですから、僕はそれを尊重しますよ」


さっちゃんの頭を撫でてあげると、何故か彼女は微かに頬を赤らめて、小さく頷いた。


その可愛らしい仕草に、僕もつられて恥ずかしくなってしまう。


「......私、頑張るよ、月代先生」


そう。


先日から"月代先生"と呼んでくれるようになったさっちゃん。
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