谷穴町のよろず屋
「………嘘だろ」
とうとう今日夢の女に首を絞められた。
しかし、それは夢であるはずの出来事。
(痕くっきり残ってるじゃねぇか……)
涼夜の首元にははっきりと誰かが握ったような痕が残っていた。
「危ないっ!!」
ガシャーン
「…………つ」
「大丈夫ですか?!」
「大丈夫だ」
地面には粉々になったガラスの破片。
ふざけあっていた生徒が窓に当たって、偶然窓が割れてしまったのだ。
あと数ミリ内側を歩いていたら、その破片は涼夜を直撃していた。
(ちっ、……どうなってやがる!)
朝の電車ではホームを走っている子供にぶつかられ危うく線路に落ちそうになり、登校途中の工事現場では上から鉄材が涼夜の真横に落ちてきた。学校ではすでに2回階段から落とされかけている。