愛し、愛されたのは優しい死神でした。

当時お風呂に入った時はヒリヒリして多少の痛みはあったけど、不思議な事に今は全く何ともない。

おまけに傷痕も残ってなかった。

時々、傷の辺りが微妙に疼くような気はする。
自分の爪はこんなに非力なんだと痛感した位だから。

「そうですか。それなら良かった。しかし…気にならないのですか?なぜ見えたのか。」

意地悪く微笑む彼に私は冷静に口を開いた。
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