愛し、愛されたのは優しい死神でした。

ジリジリと間が詰まって気が付けば背中には壁がついてしまっていた。
逃げ場が無い…投げ付けられる物も無い。

―まさに絶望だった。

[フフフフフ…!!ハァッハァッハァッ…ァ…!!]

『嫌ぁぁぁぁぁぁぁっ…!!!』

息を荒くしながら迫ってきて両肩を力強く掴まれ大きな牙が剥き出しになった時―。
何かを構える音がした。

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