愛し、愛されたのは優しい死神でした。
『……っ!!』
再び私に向き直り首元に向かって食らい付こうと牙を剥き出しにした時,律さんは容赦なく引き金を引いて銃弾を撃った―。
「っさせるかよ!!!」
―ダンッ――!!
[グォォォッ!!!?]
一発の銃弾は見事に悪霊に命中した。
目を見開いた状態で後ろによろめき私の肩を強く掴んでいた力が緩くなっていく……。
やっと恐怖から解放されたんだと一瞬にして体中の力が抜ける気がした。