愛し、愛されたのは優しい死神でした。

この時気のせいかもしれないけど化け物の目に涙が滲んでるように見えて…。
そして化け物は黒い霧状になって跡形も無く消えてしまった。

…もしかしたら、あの悪霊は…律さんに消して欲しかったのかな…?自分でも解ってたのかな?…私ももし自害して、あんな化け物になったら……。

―ガクン…

「ルナさんっ?!…良かった…気を失ったのかと思いました」

『…すみません…力が…入らなくて…』

律さんの問いかけに安心して腰が抜けてしまったのかその場に崩れる様にしゃがみこんでしまった。
心拍数がとんでもない事になっていて…ただただ呼吸を整える。

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