愛し、愛されたのは優しい死神でした。

ベッドサイドの椅子に座ると顔を覗き込んで満面の笑みを浮かべた。

「体調はどう?♪辛くない?」

『うん?…大丈夫…かな…』

「ところで♪赤ちゃんの性別は分かったの?♪」

―と。思考が止まった。
赤ちゃん?この大きいお腹は…妊娠してるからなの―?!

『…えっと…!』

答えるに答えられない……!だって突然過ぎる展開だし……その前に私には付き合ってる人も居ないのに!!
……でも、どうしてだろう?全く不安感とか無い。安心してるっていうか、心が今まで感じた事もない穏やかさだから。
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