愛し、愛されたのは優しい死神でした。
岳は目に涙を滲ませて目の前に座り込んで、ポンポンと頭を撫でてくれている。
そんな岳の泣き笑い顔を見たら、また更に涙が込み上げてきて抑えきれずに嗚咽を漏らした。
『…ぅっ…っ…!!』
「偉いよっ…ルナぁ~…!!」
―がばっ―
『…きゃっ…』
突然私を抱き締めると、大きい動物を撫でるかの様に頭から背中にかけて何度も撫で回した。
抱き締める力が次第に強くなっていって苦しくもなってきたし。
―何より……落ち着かない…!!
「――岳。何してる」
チャキッという銃を構える音と共に、不機嫌そうな律さんの低い声が頭上に降ってきた。