愛し、愛されたのは優しい死神でした。
「…ルナ…愛してる…。」
『…わた…しも……愛…してっ…ます…っ…』
再び優しく唇が重ねられ、互いに微笑み合った。
……律さんは枕元に置かれた懐中時計に目を向けると淋しそうににこう呟く。
「そろそろ時間だな。もう数分だ。」
と―。
どうしてだろう…?
今、命が終わろうとしているのに少しも怖くない。
きっと律さんが居てくれるからかもしれないね。
私はその瞬間を待つようにそっと瞼を閉じる。