愛し、愛されたのは優しい死神でした。
私はもうこの世に存在する者ではなくなったんだと―。
清々しい位に思いきり空気を吸い込む事が出来て健康な体に生まれ変わったみたいに呼吸が楽に出来る。
「ねぇルナ!目ぇ開けてっ♪」
そのタイミングを見計らっていたのか、
ワクワクを隠せないといった弾けるような岳の掛け声を合図に、重たかった瞼は嘘の様にすんなり目が開けられた。
そして目に飛び込んできたのは…
「御迎えに上がりました。お手をどうぞ?」