愛し、愛されたのは優しい死神でした。

―それは懐かしい光景だった。あの時は岳が手を差しのべていたけど、

今は…私の愛する人の手が差し出されている。

『…っ…はいっ』

緊張ながらもその手を取り…しっかりと握り締めて一歩前に踏み出すと律さんに抱き寄せられ、耳元でそっと囁かれた。

「…俺好みで…凄く綺麗だぞ、ルナ―」

甘く囁く律さんの声が色っぽくて、どきんっと心臓が跳ね上がり段々顔が熱くなっていく。