グリーン・デイ





「学校はどうだ?」



 父は僕にそう訊いた。



「まあ、それなりにやってるよ。」



「そうか。音楽は続けてるのか?」



「うん。最近はジャズに変えたけど。」



「ジャズか……。バド・パウエルは知ってるな?」



「もちろん。」



「アート・ブレイキーは?」



「『モーニン』だけしか知らない。」



「そうか……。」



 すると、父は備え付けられていたタンスの引き出しから一枚のレコードを出して、僕に渡した。



「持ってけ。」



 見ると、アート・ブレイキーのレコードで、中には『モーニン』も入っていた。



 僕は受け取った。ちょうどその瞬間、面会時間の終了を告げるアナウンスが鳴った。帰ることにした。




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