グリーン・デイ
「じゃあ、そろそろ帰るから。」
カーテンを閉め、それから僕は父に一言、
「ごめん。」
そう謝った。新幹線の中ではもっといろいろ言いたいことを考えていたのだが、それを言うと、泣き出してしまいそうだったのだ。
「待て。健二。」
もう病室を出ようとしたと思ったのか、父がそう呼び止めた。
「何?」
「お前、『グリーン・デイ』は知ってるか?」
僕は思わずカーテンを開けた。
「逆に知ってるの? 『グリーン・デイ』。」
「ああ、お前の部屋にあったCDを聴いた。」
なんでそんなことをしたのだろうか。それを訊こうとする前に、父が話し始めた。