グリーン・デイ





「はあ?」僕はさっきよりもトーンを上げて言った。



「なんで早く言わないんだよ!」



「そんなん言うても、二週間くらい前のことやし、忘れとったんよ。」



 そう言って、母はケータイ番号の書かれた紙きれを渡してきた。僕はそれをひったくるように取った。



「名前、言ってなかった?」



「言っとった気もするけど……なんやったかね……。」



 僕は母に「じゃあね。」も言わずに、家を走るように飛び出した。



「こら、健二! 次帰ってくるときは連絡しなさいね!」




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