グリーン・デイ
「話が脱線してるわね。」アヤカにそう言われて気づいた。
僕はいつの間にか、カフカを借りてアヤカのことを信用していないと遠回しに言ってしまっている。でも、それは紛れもない今の僕の考えで、アヤカもそれを理解している。きっとうまい具合にこの車両を線路に戻すことができるんだろうけど、眠気のせいか、遠回しに言い過ぎたせいか、頭が回らず、そのうまい具合とやらが見つからない。
「つまり、現実にしようとすれば矛盾が生じて、結局、私たちの関係、それが起きたこの世界を「幻想世界」と言わざるを得ないってことよね?」
僕は軽く頷いた。しかし、その頷きが彩花には見えていないことに気づき、「まあ、そういうことかな。」とテンポ悪く言った。