グリーン・デイ





 ともかく、アヤカと暮らした日々は普通ではなかった。



 そもそも普通の出会いではなかったし、普通の若い男女の同居理由にはなっていなかった。そして、そこからは何も生まれないまま____これは僕がそう思いたいだけなのかもしれないが____突然終わりを告げた。



 今、こうして書いていながらも不思議に思う。あれは一体なんだったんだろうか。



 謎の女性と劇的な出会いをし、その女性とその日の内に一緒に暮らし始め、食卓を囲み、適当なダンスを踊り、楽しんだ日々よ____あれは幻だったのか。



 僕の心の中にはずっとアヤカはそこで胡坐を掻いていて、動かざること山の如しといった感じだが、現実的な目で見れば、あれは非日常的と言わざるを得ない。



 そして、その非日常が不自然なく続いていくことにより、日常になりつつあった。



 それはまるで、どこかの誰かが頭の中で作り上げた妄想を活字に起こして、小説にしたような、世界。ここではないどこか遠くの別次元____



 幻想的な世界にいたような気がしてならないのである。




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