グリーン・デイ
「私もそう思うわ。前者はただお金がある人ね。今の私はそれなの。これじゃいけないと思ったのよ。時給1200円のアルバイトで、時給1200円以上の働きをする。そして、汗水流して働いたお金こそキラキラと輝くものがあって、生きてるって実感すると思うのよ。それに今の両親だっていつ死ぬかわからないし、ある日送金がストップする可能性だってあるでしょ? 遺産は莫大かもしれないけれど、私に内緒で湯河原辺りに別荘なんて持ってたら、大変よ。維持費で遺産は瞬く間に消えるでしょうね。しかも、両親共に自営業じゃないから仕事を継ぐこともできない。つまり、今のままだと完全に裸の王様になってしまうのよ。いや、王女様ってところかしら。裸の王女様ほど醜いものはないでしょ?」
僕もオレンジジュースを一口で飲み干した。
「それで、どこでアルバイトするんだ?」
「コンビニよ。17:00~22:00までで、1時間の休憩があるから、計5時間。私、コンビニの匂い好きなのよ。」
動機については何となくわかったが、コンビニの匂いが好きだということは理解できなかった。