グリーン・デイ





「なんで僕まで?」



「なんでって、ポストがなぜ赤色なのかって疑問に対するものと同類項だと思うんだけど、それを私に答えさせるのは愚問じゃないかしら?」



「愚問じゃない。まるで僕たちが一心同体みたいな言い方してるけど、僕はキミとそういう間柄になったわけではない。あくまで同居人ってだけだ。」



 アヤカは僕の言葉に腹を立てたのか、額を離し、僕の鼻を親指と人差し指で思いっきりつまんだ。



「痛っ! 何すんだよ!」



「いいわね? あなたは今日から2週間、私とサンマリノへ行くの! 何がなんでも絶対に。引きずってでも連れて行くわよ! いいわね?」



 僕は渋々返事をし、トイレへ立った。小便をしながら自分の尿が黄色いことに気づいた。きっと疲れが溜まりすぎている。おそらく、これでは、リミニに着くよりもずっと前の成田で倒れてしまうだろう。初海外がこんな形で実現するなんて思ってもみなかったが____ん? 初海外?




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