グリーン・デイ





「ここからちょっと上がったところに、地主神社っていう、縁結びの神様が祀られているんだよ。行ってみるか?」



「縁結び? それ効果あるの?」



「信じてればあるんじゃないか?」



 アヤカは「ふーん。」となぜか機嫌悪く僕を置いて、地主神社の方へと歩いていく。



「おーい、ちょっと!」



 僕の問いかけには一切反応せず、ずんずんと前へ歩いていき、僕は人の波に呑まれないように横歩きで急いだ。まるで、渋谷のスクランブル交差点を初めて渡った時のような、なんともマヌケなカニ歩きだった。



 それにしても、何をそんなに怒っているのだろうか。女はわからない。




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