グリーン・デイ
しかし僕はなぜかともちんのことが気になった。
スタイルはそれほど良くはない。顔のつくりも僕のタイプとは程遠い。今まで僕が付き合ってきた女性の中では断トツで最下位だ。(とは言っても、僕もそんなに顔のつくりは良くないので、女性に順位をつけるべきではないのかもしれない。)しかし、それを帳消しにしてしまうほどの何かがある。
テトリスのような女性だと思った。
形一つ一つは歪で、しかし、それがうまく重なったとき、初めて消える。これは例えばだが、トイレに行って手を洗わないというパーツが落下してきても、そこへ人前で決して放屁しないというパーツが落ちてくることによって、それがぴったり重なり合って消えていくと言った感じだ。
これでもし、何かしらのアクションがあって、僕にそのアクションが伝わり、突然変異を起こすと、きっと僕は彼女のことが好きになる。
しかし、そのアクションとやらはこうして二時間向かい合って話していても、一向にない。それどころか今すぐにでも走って逃げだしてしまいたかった。