気になる彼は、左利き!?

「一ノ瀬さんは、池上さんのどこが好きなの?」
柏木さんは、ストレートに聞いてきた。

えっ!?
驚いて飲んでいた飲み物を吹き出しそうになった。
な、何を急に!?

だが柏木さんは、真剣な表情をしながら
「池上って……一般的だろ。
成績も容姿も……普通なのにどこが好きなんだ?」
私に質問をしてくる。

確かに池上さんは、一般的だ。
だが、それ以上に魅力溢れる人だ。

「彼は、とても誠実で優しい人です。
人懐っこくて……そばに居るとドキドキもするけど
安心出来る人なんです。
だから池上さんのこと悪く言わないで下さい!!」

言い方にムッとしたので言い返してしまった。
そうしたら
さっきまでの優しい雰囲気じゃない態度で
「そんなにアイツがいいのか!?何故?
アイツは、ただの八方美人だろ。
いつもヘラヘラと笑ってるだけなのに
上司に好かれやがって」
池上さんの悪口を言い始めた。

あれ?柏木……さん?

明らかにいつもの柏木さんじゃないため
怖くなってくる。

「あんたもあんただ!?
大人しく俺になびいていたらいいものの 
よりにもよって池上なんかに好きになって
まるであの時みたいに……」
そう言い強引に腕を掴んでくる。

嫌だ……怖い。

「いい加減にしろ!!柏木」
怯えている私の間に入ってくれたのは、
池上さんだった。

「池上さん!?」
まさかの登場に驚いたけど嬉しくなる。
息を切らせながら駆け付けてくれた。

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