気になる彼は、左利き!?
えぇっ!?
それって……どう言うことなの?
私は、唖然としながらそれを聞いていた。
チラッと柏木さんを見るとギクッと焦ったような
反応をする。
柏木さん……?
すると池上さんは、柏木さんに
「おかしいと思っていたんだ。
高校から俺と付き合う女性とは、
必ず他に好きな人が出来たと言い別れを
切り出されるし
いいタイミングで梨乃が現れていた。
その影を辿ると必ず柏木にたどり着いていた」
「それだけじゃない。
会社に同期で入社すると俺が一方的に
ライバル視してるとか変な噂を流すし……お前は、
何がしたいんだ!?」
えぇっ!?
信じてなかったけど、池上さんじゃなく
柏木さんが一方的にライバル視してたの!?
そんな因縁があったなんて……。
驚くことばかりで頭の中が混乱する。
なんで……そんなことをするの!?
しかし柏木さんは、
「はぁっ?何のことだい?
その人のことは、知らないし
俺が君にそんなことをする訳がないだろ」
とぼけてくる。
簡単に認める訳がないわよね。
池上さん……どうする気だろう?
不安そうに見ると
「じゃあ、何故俺が左利きだと知っていた?」
池上さんは、真剣な表情で聞いてきた。
「はぁっ?」
「入社していた時……柏木は、俺に対して
何も言わなくても左利きの俺に使いやすいように
してくれていた。
普通なら分からずに逆のことをやって
気づかれることが多いのに。
それだけじゃない。わざと梨乃の話題をふった時に
柏木は、知らないはずなのに彼女の左利きだと
言うことも普通の反応をしていた。
驚きもせずに……まるで最初から知っていたかのように」